帰敬式(ききょうしき)

帰敬式

 

帰敬式(ききょうしき)で法名を頂きます

 

帰敬式は、昔から「おかみそり」とか「おこうぞり」という名前でも呼ばれていますが、ご本尊の前で「三帰依文」を唱和し、執行者からおかみそり(剃刀)が 3度、頭にあてられます。おかみそりは、実際には髪を剃ることはありませんが、髪をおろすことをかたどった儀式です。
この帰敬式を受けると「法名」(ほうみょう)を頂けます。
帰敬式は、 本山(真宗本廟)では基本的に毎日、午前と午後にそれぞれ一度ずつ行われます。
また、全国の別院やお手次ぎのお寺(菩提寺)で受式することができます。別院では報恩講等の大きな法要の際に、帰敬式が執り行われることがあります ので、お手次ぎのお寺や別院・教務所にお尋ねください。また、お手次ぎのお寺で受式を希望される場合には、住職が執行者となりますので、まず住職にご相談 ください。
※真宗本廟(東本願寺)の帰敬式に関するページはこちらから

浄土真宗は「戒名」ではなく「法名」(ほうみょう)を頂きます

 

仏式のお葬式の場合、一般的に「亡くなったら戒名をつけてもらって供養」というようなイメージが強いかもしれません。そのせいか、『法名』と書いてあっても

「あの戒名はなんて読むんですか?」

と聞かれることもしばしばです。
浄土真宗においては「戒名」ではなく「法名」を頂きます。戒名というのは読んで字のごとく、「戒をまもります」という誓いの為の名前です。この誓いを立て、戒名を頂く儀式を「受戒」(じゅかい)と言います。
仏教には様々な「してはならないこと」が定められています。これを「戒」(かい)と言います。例えば「生き物を殺してはならない」とか「嘘をついてはいけない」などです。しかし、浄土真宗では、そもそも私達人間は「戒」を守り通して生き抜くことは難しい、という考え方があります。ですから「を守り抜くことはできない凡夫たる一切衆生は、阿弥陀如来(法蔵菩薩)誓願によってのみ救われる」という教義に基づいて受戒を行いません。
しかし、「どうせ戒を守れないんだから、そんな細かい教えなんて聞かなくてもいいんだ」
ということではありません。逆に「守れないからこそ、色々な教えを聴いていこう」という誓いと信念を現すのが「法名」なのです。
そして『仏さま・仏さまの教え・教えを説き導いて下さる方』の三つを敬い、護っていくことを誓っていくことを『三宝に帰依する』と言います。
つまり、一言でいえば法名には「三宝に帰依し、仏の教えを聴きつづけていきます」という意味が込められているのです。


「法名」は亡くなってからではなく、生前に頂きましょう

 

法名は、お釈迦さまの教えを聞いて生きる者としての名告りですから、亡くなってからの名前ではありません。
私たちは大切な方が亡くなられると、葬儀や法事を勤めます。そしてそれらは当然「法名」で行われます。また、各ご家庭ではお内仏に亡くなった人の法名をおかけしますので、誤解されがちのようです。
私たちは、葬儀や法事を「死者供養」「先祖供養」という意味で勤めがちなようです。しかし、亡き人への供養だけが、本当に亡き人を大事にし、亡き人の生涯 を尊んでいくことになるのでしょうか。残されたものの本当のつとめはどのようなものなのでしょうか。そのことを私たちは考えていきたいものです。