No.1 仏教には色々な宗派があってよくわからないのですが?(40代・女性) |
日本仏教はおおよそ十三宗に分類されています。十三宗とは
法相宗・華厳宗・律宗・天台宗・真言宗・融通念仏宗・浄土宗・臨済宗・浄土真宗・曹洞宗・日蓮宗・時宗・黄檗宗(おうばくしゅう)(成立順)
です。
各宗派によって教えが異なるので当然、作法や様式が異なります。それにしたがって僧侶の装束やお経も異なります。
「ウチは無宗教ですから」
と言われる方もおられますが、ご両親のご両親、そのまたご両親、さらにそのご両親…と代を遡れば、仏教に限らず、おそらく何かしらの信仰を持ったご先祖はおられるのではないでしょうか。
現代は様々な家族のスタイルがありますが、ご自分の郷里やご親戚などにルーツを訪ねていくのはいかがでしょう。新たな発見があるかもしれませんよ。
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No.2 真宗大谷派とはどの様な宗派なのですか?(60代・男性) |
この宗門をお開き下さった方、親鸞聖人(1173年~1262年)を、私達は「ご開山」(ごかいざん)と申しますが、聖人はその主著『教行信証』で
「真実之教・浄土真宗」
と申されました。
一向宗とかご門徒宗などと呼ぶ人もありますが、「本宗よりは申さぬ」呼称です。法規の上からは「真宗大谷派」(しんしゅうおおたには)と申します。真宗には古来「十派」といいまして十の派があります。本願寺はもと「大谷」と申す場所にありましたので、それで大谷派と申すわけでありましょう。「東本願寺」といったほうが世間にはわかりやすい事もあるでしょうが、正確には「真宗大谷派」であります。
詳しくは真宗大谷派本山・東本願寺のホームページをご覧ください。
※東本願寺のホームページへ
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No3.真宗大谷派では厳しい修行や派手な作法はしないのですか?(20代・女性) |
他宗には滝に打たれたり断食したりする修行や、「五体投地」とか「稽首礼足」(けいしゅらいそく)などの作法があります。しかし私達の宗派にそういう作法はありません。
外見は尊げでも、本当の心、内心が本当にそれにかなっているかどうか。形は大切ですが、形だけにとらわれ、内容がともなわなければ、かえって「うそ」になりましょう。
親鸞聖人は
「修善(しゅぜん)も雑毒(ぞうどく)なるがゆえに、虚仮(こけ)の行とぞなづけたる」
と教えられました。
しかし一方で「信心さえ大切にすれば後は何をしたって構わない」というような慢心、「おごり」も『本願ぼこり』といって厳しく戒められました(『歎異抄』第十三条)。
ここでは詳しく申し上げるだけの余白もありませんが、「かたちにとらわれない」というのは本当に難しいことです。
厳しい修行をすることはそれはそれでとても尊いことです。
しかし我々人間にとって修行をまっとうすることはとても難しいことです。修行も投げ出してしまうような弱い自分、悪い心をおこしてしまう情けない自分でさえも、「阿弥陀如来」は救って下さるのだから、その願いを脇目もふらずに一心に信じましょう、というのが親鸞聖人の教えです。
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No4.戒名とか法名(ほうみょう)といった違いがよくわからないのですが。(60代・女性)
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まず、真宗大谷派では戒名というのは用いません。法名(ほうみょう)といいます。
戒名というのは戒を授け、生涯仏教教団に定められた戒律を受ける、授かるということから来ています。
戒というのは仏教における、我々が守るべき大切な決まりごとです。
例えば
・生き物を殺してはいけない。殺させてもいけない 「不殺生戒(ふせっしょうかい)」
・他人のものを盗んではいけない 「不偸盗戒(ふちゅうとうかい)」
・自分の夫や妻以外の異性と交わってはいけない 「不邪淫戒(ふじゃいんかい)」
・嘘をついてはいけない 「不妄語戒(ふもうごかい)」
・酒を飲んではいけない 「不飲酒戒(ふおんじゅかい)」
といったものです。
(他にも様々なものがありますがここでは詳細は割愛致します)
これらはお釈迦さまが説かれた大切な教えです。そしてその戒めを守る為に名を頂くのが戒名です。
しかし、私達にとってこれらのことを厳しく守っていくことは難しいのも事実ではないでしょうか。
嘘をつくこともあるでしょうし、食べものを摂取する事は命を奪っていくことですし、お酒を飲みたくなることもあるでしょうし…
では厳しいこれらの戒めを守れないと私達は救われないのでしょうか。
真宗大谷派では「法名」を頂くことで、
『厳しい戒めや教えはなかなか守れない私ですが、これからもずっと大切な教えを聞き、学び続けていきます』
との誓いを立てます。また、そういう存在になっていきます。
そう考えれば、真宗大谷派における法名というのは、本来、亡くなってから葬式の時につけられるものではなく、、生きている間に頂くものであります。そして、この法名を生前に頂く儀式のことを「帰敬式」(ききょうしき)といいます。
「戒名か法名かよくわからんが、亡くなってからとりあえずつけてもらって、はい、成仏しました」
というのではあまりにもお粗末ではないでしょうか。
戸籍上の名前のことを「俗名」(ぞくみょう)といいます。
俗名のまま生きていくのもいいのですが、一度新しいお名前を頂いて「生まれ変わって」みてはいかがでしょうか。
法名を頂けばそれで良いというものでもありません。頂く事は終わりではなく、あくまで「スタートライン」なのですから。
※法名、帰敬式については菩提寺、お手次のお寺にお問合せ下さい。
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