No.1 様々な色や模様の袈裟を見ますがどう違うのですか?(30代・女性) |
様々な宗派によって僧侶の装束は異なります。
ここでは我々真宗大谷派のことについてまとめています。
私共、真宗大谷派の僧侶も位や宗派の学問における段階によって装束の色や文様が細かく定められています。
ちなみに位のことを「法要座次」(ほうようざじ)といい、学問における位のことを「教師」といいます。
この「位」は僧侶としてのキャリアや所属するお寺の様々な活動の貢献度によって変わっていきます。そして「教師」と呼ばれる学位は様々な研修会を終了したり論文を提出したりしなければ上がりません。
そう、「お坊さん」にも資格があるのです。『大谷派教師』という資格です。
髪を剃って得度と呼ばれる儀式を受けただけでは「僧籍」を頂いただけで様々な儀式や葬儀などで法名をお付けすることはできません。最低限の知識を身に付けて資格をクリアする必要があります。そして資格取得後も様々な研修や学びを通して自己研鑽をしていかなければいけないのです。
ここでは袈裟や衣のことについて細かく記述できるだけの余裕がありませんが、そういった位や学位によって色や柄が変わっていくのだな、とだけ覚えていただけれは゛、と思います。
ちなみに余談ですが、私は結婚と同時に寺に入ったので、最初は白無地の「裳付け」と呼ばれる衣を来て結婚式を致しました。大抵はこの白無地からスタートして、そしてしばらく経ってから色を染めます。
まさに「純白のウェディングドレス」ならぬ「純白のお衣」ですね(笑)
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No.2お寺さんは普段はどんな服装ですか?やはり作務衣ですか?(30代・男性) |
よく、寺のお坊さんというと作務衣で境内の掃除をしている光景などが目に浮かぶ方は多いのではないでしょうか。
確かに作務衣も着ます。けれど毎日作務衣を来ているわけではありません。
本堂で立ったり座ったりしているとけっこう膝のところか擦れて破れてくることがあります。また、境内の掃除をしているとかなり汚れる事が多いので、私は普段はもっと楽な格好で作業をしています。Tシャツとか綿のパンツとか。
もちろん来客やお参りの時は「間衣」(かんえ)という日常用の衣を着ます。
愛用はユニクロの「シャカシャカパンツ」です。
それから「お寺の奥さんは着物とか着るのですか?大変ですね」と聞かれることもありますが、坊守・准坊守ともに年始のご挨拶とか数年に一回の思い法要くらいでないと着物は着ません。行事の時は走り回っていますので…
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No.3 金の入った袈裟は位が高いのですか?(40代・女性) |
お坊さんの衣と一口に言っても宗派によって様々に異なります。
私達 真宗大谷派の場合、紋様の部分が白い糸で織られたものを正式としています。
この白い紋様のことを『紋白』(もんじろ)といいます。
ですから、かえって金の入っていないもののほうが格式として高い場合があり、五条袈裟よりももっと大きな「七条袈裟」という装束になると無金のものは着用そのものが禁じられています。
僧侶は位によって着用できる装束の許可が必要だったり本山に申請が必要だったりしますが、私はどちらかというとシンプルな方が好きだったりします。
※左が白の紋様の「紋白五条袈裟」、右が「金入り五条袈裟」です。
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